相続後の不動産売却の注意点を解説!税額控除制度に期限がある?

不動産コラム

相続後の不動産売却の注意点を解説!税額控除制度に期限がある?

相続によって使い道がない不動産を取得したら放置せず、少しでも高く売却できるよう早期に売り出すのがおすすめです。
相続後の不動産売却時に使える2つの税額控除制度には、相続発生から約3年の適用期限があるため、売却後に納付する譲渡所得税の額を抑えるためにも早期に売却することが重要です。
今回は、相続後の不動産売却における3つの注意点について解説します。

相続後の不動産売却時の注意点①:不動産の所有名義

相続後の不動産売却時の注意点①:不動産の所有名義

相続後の不動産売却時に、はじめに確認しておきたい注意点は「不動産の所有名義」です。
相続時に正式な手続きを踏んで所有名義を変更していないと、不動産売却自体がおこなえません。

不動産の「名義」とは

不動産の名義とは、特定の不動産が、法律上誰のものなのかを示す概念です。
新しく建物を建てたときには登記手続きをおこない、不動産に関する情報とともに建物の所有者の名前を記録します。
相続によって、不動産の所有権が他者に引き継がれたときは、相続登記をおこなって不動産の所有者名義を変更しなければなりません。
不動産売却をおこなうためには所有者本人の意思確認が必須であるため、相続する不動産を売却するためには、まず正式な手続きを踏んで不動産を自分の名義にする必要があるのです。

不動産が共有名義だったらどうする?

不動産の所有者は必ずしも一人ではなく、複数人を所有者として記録し、不動産に関する権利を分け合いながら所有することも可能です。
連名で不動産を所有する方のことを「共有者」と呼びますが、この共有者のうちの一人が亡くなったときには、その方が保有していた権利割合だけが相続の対象になります。
自分以外にも権利を持つ方がいる不動産を、自分の判断だけで売却することはできません。
共有者全員の同意を得たうえで売却するか、自分が持つ権利割合だけを他者に買い取ってもらう必要があります。
自分が持つ権利だけを売却するときに共有者の同意は不要ですが、見知らぬ相手に断りなく権利を譲渡するとその後トラブルになる可能性が高いため、可能なら事前に相談しておきましょう。

▼この記事も読まれています
事故物件にかかる相続税は?相続の判断基準と相続のデメリットも解説

相続後の不動産売却時の注意点②:売却の期限

相続後の不動産売却時の注意点②:売却の期限

相続後の不動産売却には期限があります。
期限と言っても、それを過ぎたら不動産を売却できなくなるわけではありませんが、最終的に手元に残る金額が大きく変わる可能性が高いため注意が必要です。
相続後の不動産売却時に使える2つの特例(税額控除)は、相続からおよそ3年以内の売却を適用の目安としています。

相続税の取得費加算の特例とは

相続後の不動産売却時に使える特例の1つ目は「相続税の取得費加算の特例」です。
不動産の相続時に納付した相続税の金額を、後にその不動産を売却したときにかかった経費として計上できる制度です。
正式な適用期限は「相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日まで(相続開始のあった日の翌日から3年10か月以内)」となります。
この期間内に不動産を売却すれば、相続税が「売却を前提として不動産を取得するために必要不可欠であった経費」とみなされます。
また、適用を受ける方が以下の条件を満たしている必要がある点にも注意しましょう。

●相続や遺贈により財産を取得した者であること
●その財産を取得した者に相続税が課税されていること
●その財産を、相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡していること


支払った相続税自体が還付されるわけではありませんが、経費計上額が増えることによってその後の譲渡所得税の額を抑えられます。

相続空き家の3,000万円特別控除とは

相続後の不動産売却時に使える特例の2つ目は「相続空き家の3,000万円特別控除」です。
相続発生とともに居住者がいなくなった空き家を相続し、その後売却したときに3,000万円の税額控除が受けられる制度となります。
こちらを適用したいときの売却期限は「相続の開始のあった日以後3年を経過する日の属する年の12月31日まで」です。
同時に満たしている必要がある諸条件もあわせて確認しましょう。

●相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋であること
●昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること
●区分所有建築物(マンション等)以外の家屋であること
●相続の開始直前においてその被相続人以外に居住していた者がいなかったこと
●相続の時から譲渡の時まで事業の用、貸付の用または居住の用に供されていたことがないこと
●家屋を取り壊さずに売る場合、売却時において、その家屋が現行の耐震基準を満たしていること
●相続の開始があった日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること


昭和56年5月31日よりも後に建てられた住宅や、区分所有建築物(マンション等)は制度の適用対象外である点に注意が必要です。

▼この記事も読まれています
不動産相続の根抵当権について!事業継続の方法についても解説

相続後の不動産売却時の注意点③:媒介契約の選び方

相続後の不動産売却時の注意点③:媒介契約の選び方

不動産売却時には、売買仲介をおこなう不動産会社と媒介契約を結ぶのが一般的です。
媒介契約には「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類があり、他業者との同時契約や自己発見取引の可否、契約有効期間などがそれぞれ異なります。

一般媒介契約とは

一般媒介契約は、3種類の媒介契約のなかでもっとも自由度が高い代わりに、不動産会社からのサポートも最低限となる契約形態です。
ひとつの不動産売却にあたって、複数の業者と同時契約をしても良く、業者を通さずに相手を探しての取引(自己発見取引)を決めることもできます。
有効期間に法律上の定めはありません。
不動産会社側に売主への進捗報告の義務がないため、ご自身で状況を確認する必要があります。

専任媒介契約とは

専任媒介契約とは、同時に複数の業者と契約を結ぶことはできないものの、自己発見取引は認められる契約形態です。
有効期間は3、か月以内と定められており、業者から売主へ2週間に1回以上の進捗報告義務が生じます。
また、専任媒介契約と、後述する専属専任媒介契約では、不動産業界の物件情報共有システム「レインズ」への登録義務も生じることが大きな特徴です。
売り出したい不動産の情報が不動産業界の各社で広く共有されるため、買い手が見つかりやすくなります。

専属専任媒介契約とは

専属専任媒介契約とは、同時に複数の業者と契約を結ぶことができず、自己発見取引も認められない契約形態です。
最大3か月の有効期間中は、契約した業者を通さなければ不動産売却ができないという注意点があります。
業者から売主へは、1週間に1回以上の進捗報告義務が生じます。
専任媒介契約と同様に、レインズへの物件情報登録も必須です。
売主にとって拘束が強い形態の契約となりますが、不動産会社のサポートも期待できるため、不動産売却の知識が少なく不安な方におすすめです。
自ら買い手を探すことができそうなのか、売却活動を一任したいのかによって契約形態を検討しましょう。

▼この記事も読まれています
空き家の相続放棄とは?管理責任のルールや不動産を手放す方法をご紹介!

まとめ

相続後の不動産売却時の注意点は「不動産の所有名義」「売却の期限」「媒介契約の形態の選び方」の3つ。
相続が発生したら、まずは相続登記によって不動産の所有名義を自分に変更し、税額控除制度の適用期限である3年以内を目途に売却を済ませましょう。
自力で買い手を見つけられそうなのか、不動産会社に売却活動を一任したいのかによって媒介契約の形態を検討することが重要です。

株式会社ソライエの写真

株式会社ソライエ

狭山市を中心に地域に根ざした不動産サービスを提供しています。
私たちは、お客様一人ひとりのご状況に寄り添い、画一的ではない最適なご提案をすることを大切にしています。
不動産の購入や売却は、人生の大きな節目だからこそ、安心してご相談いただけるパートナーでありたいと願っています。

■強み
・狭山市エリアに精通した不動産売買の豊富な実績
・お客様の状況やご希望に合わせたきめ細やかなサポート
・専門知識を活かした、わかりやすく誠実な提案力

■事業
・土地 / 戸建て / マンションの売買
・資産売却や住み替えに関するご相談全般


”不動産コラム”おすすめ記事

  • 不動産売却の減価償却について!計算方法や注意点も解説の画像

    不動産売却の減価償却について!計算方法や注意点も解説

    不動産コラム

  • 分譲マンションとは?資産性や費用面の特徴についても解説の画像

    分譲マンションとは?資産性や費用面の特徴についても解説

    不動産コラム

  • 相続した不動産が未登記になっている理由!そのままにするリスクも解説の画像

    相続した不動産が未登記になっている理由!そのままにするリスクも解説

    不動産コラム

  • 空き家の家族信託について!相続や処分の対策も解説の画像

    空き家の家族信託について!相続や処分の対策も解説

    不動産コラム

  • 不動産売却の相場は査定前に自分で調べられる?2種類の査定方法も解説!の画像

    不動産売却の相場は査定前に自分で調べられる?2種類の査定方法も解説!

    不動産コラム

  • 固定資産税が高くなる設備とは?一戸建てとマンションのケース別で解説の画像

    固定資産税が高くなる設備とは?一戸建てとマンションのケース別で解説

    不動産コラム

もっと見る