空き家にはどんな種類がある?国の対策や管理の重要性についても解説

不動産コラム

空き家にはどんな種類がある?国の対策や管理の重要性についても解説

日本では空き家の増加が深刻な問題となっており、適切な管理や活用が求められています。
空き家にはさまざまな種類があり、それぞれの管理方法やリスクを正しく理解することが重要です。
国も空き家対策を進めていますが、放置すると倒壊や治安の悪化など多くの問題が発生する可能性があります。
本記事では、空き家の種類や国の取り組み、放置によるリスクについて解説します。

空き家の4つの種類

空き家の4つの種類

近年、日本では空き家の増加が社会問題となっています。
総務省の「令和5年住宅・土地統計調査」によれば、国内の空き家数は約900万戸で全住宅の13.8%を占めます。
そのうち賃貸用が49.2%、売却用が3.7%、二次的住宅が4.2%です。
この背景には、高齢化や人口減少、都市部への人口集中などが挙げられます。
空き家は状態や利用目的により大きく4つの種類に分類されます。

賃貸用の住宅

賃貸用の住宅とは、賃貸物件として提供される予定で、現在入居者がいない状態の住宅を指します。
新築・中古を問わず、貸し出しを目的に市場に出されているものの、まだ借り手が見つかっていない物件が該当します。
このような空き家は、通常、不動産会社やオーナーが管理し、定期的な清掃やメンテナンスをおこなっているものです。
そのため、近隣への影響は比較的少ないとされています。
しかし、長期間借り手が見つからない場合、物件の老朽化や資産価値の低下が懸念されます。
また、賃貸需要が低下している地域では空室率が高まる傾向があります。
こうした地域では、賃貸物件の供給過多が問題となり、空き家の増加に拍車をかける要因となっているのです。

売却用の住宅

売却用の住宅とは、売却を目的として市場に出されているものの、まだ買い手がついていない状態の住宅を指します。
新築・中古を問わず、売主が所有権を移転するために販売活動をおこなっている物件が該当します。
売却用の空き家は、不動産会社や売主によって適切に管理され、内覧会や宣伝などのプロモーションが定期的におこなわれます。
しかし、経済状況や地域の需要によっては売却まで時間がかかり、物件の維持費や税金などの負担が売主にとって課題になることも。
さらに、売却が進まない場合は、価格の見直しやリフォームなどの対応が必要になることもあります。
こうした追加投資によって、売主の負担が増加する可能性があります。

二次的住宅

二次的住宅とは、普段は居住しておらず、週末や休暇に保養や避暑・避寒を目的として使用する別荘やセカンドハウスを指します。
また、出張や残業で遅くなった際に一時的に宿泊するための住宅もこれに含まれます。
これらの住宅は、所有者が定期的に利用することが多いため、比較的適切に管理されている場合が一般的です。
しかし、利用頻度が低い場合や、所有者が高齢化していると管理が不十分になり、老朽化や防犯上のリスクが高まる可能性があります。

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空き家問題解消のために国がおこなっている対策

空き家問題解消のために国がおこなっている対策

空き家問題が深刻化するなか、国はさまざまな施策を講じています。

空家等対策の推進に関する特別措置法

平成26年11月、「空家等対策の推進に関する特別措置法」が制定され、平成27年5月に施行されました。
この法律は、適切に管理されていない空き家が周辺環境に悪影響を及ぼすことを防ぐためのものです。
具体的には、市町村が空き家の所有者に助言や指導、勧告、命令をおこない、最終的には行政代執行による除却も可能としています。
令和5年12月13日に施行された改正では、空き家の活用促進区域の設定や、空き家管理活用支援法人の指定などが盛り込まれ、管理と利活用を一層推進する施策が強化されました。
また、特定空家等に対しては、固定資産税の住宅用地特例の適用除外がおこなわれることがあります。
これは、適切に管理されていない空き家に税制上の優遇措置を解除し、所有者に管理を促すものです。

相続登記の義務化

空き家問題の一因として、相続登記が未了のまま放置されるケースが挙げられます。
これに対応するため、令和3年4月に「民法等の一部を改正する法律」が成立し、相続登記の義務化が進められました。
相続人は相続開始を知った日から3年以内に登記を申請することが義務付けられ、違反すれば過料が科されます。
この改正で所有者不明土地の増加が抑制され、空き家の管理や利活用も進むことが期待されています。
さらに、手続きの簡素化や費用負担の軽減策が設けられ、相続人が円滑に進めやすいよう配慮されているのです。

除却支援

国や自治体は、老朽化した空き家の除却を促進するため、各種補助金制度を設けています。
たとえば、「空き家再生等推進事業」や「空き家対策総合支援事業」は、除却や活用にかかる費用の一部が支援されるものです。
これらの制度によって所有者の経済的負担が軽減され、空き家の解体や再生が進みやすくなります。
さらに、地域住民やNPO法人などが協力して空き家を活用するプロジェクトも増えており、地域の活性化にもつながっています。
所有者が制度を活用することで、専門家によるアドバイスが受けやすくなり、工事の安全性や費用面についても安心して進められるのがメリットです。
各自治体の窓口でも情報提供や相談がおこなわれており、適切なサポートを得ることで空き家問題の解決に取り組みやすくなります。

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「その他の住宅」を放置するとどうなるのか

「その他の住宅」を放置するとどうなるのか

空き家を適切に管理せず放置すると、さまざまなリスクやデメリットが生じます。

近隣トラブルの発展

空き家を放置すると、建物の老朽化が進み、倒壊の危険性が高まります。
特に木造住宅は湿気やシロアリの被害を受けやすく、定期的な換気やメンテナンスが必要です。
適切な管理がおこなわれないと、屋根材や外壁が破損し、最悪の場合、通行人や隣接する建物に被害を及ぼす恐れがあります。
また、不法侵入や放火などの犯罪の温床となり、地域の治安悪化につながる場合もあります。
さらに、害虫や害獣が繁殖して衛生環境を損ねる可能性もあるため、注意が必要です。

特定空家の指定

適切に管理されていない空き家は、「特定空家等」に指定されることがあります。
これは空家等対策の推進に関する特別措置法に基づき、市町村が周辺の生活環境に悪影響を及ぼすと判断した空き家に対しておこなうものです。
特定空家等に指定されると、所有者に指導や勧告、命令が行われ、最終的には行政代執行で解体される場合もあります。
また、特定空家等に指定されると、固定資産税の優遇措置が受けられなくなります。
通常は住宅用地の特例が適用されることで固定資産税が軽減されますが、特例が解除されると税額が大幅に増加するでしょう。

空き家の売却を検討

空き家を放置しない対策として、売却を検討する方法があります。
しかし、老朽化が進んだ物件は資産価値が低下し、買い手が見つかりにくくなることもあるため、早めの対応が望ましいです。
査定を依頼して適切な価格設定をおこない、必要に応じてリフォームやリノベーションで物件の魅力を高めることで、売却をスムーズに進められる可能性があります。

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まとめ

空き家にはさまざまな種類があり、適切な管理や活用を行うことが重要です。
「空き家対策特別措置法」や「相続登記の義務化」により、放置すると特定空家に指定されるリスクがあります。
空き家の有効活用や早めの売却を検討し、適切な対応を進めることで、トラブルを未然に防ぎましょう。


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