不動産の相続登記が義務化に!背景・内容と相続したくないときの対応を解説

不動産をこれから相続するとき、相続登記が以前と違って義務化されている点に注意が必要です。
現在の規定に違反しないよう、不動産の相続登記の義務化に関する背景や内容などは、事前に一度確認しておいたほうが安心です。
そこで今回は、相続登記の義務化に関する背景や内容にくわえ、相続したくない不動産への対応も解説します。
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不動産の相続登記における義務化の背景

不動産の相続登記における義務化の背景には、所有者不明の土地が引き起こす問題が挙げられます。
所有者不明の土地の概要や問題は、以下のとおりです。
所有者不明の土地
所有者不明の土地は、その名のとおり、誰のものなのかわからない土地です。
不動産の所有者は、通常は登記簿などで把握できるものです。
しかし、情報が古いままになっているなどの理由で、現在の所有者を把握できないことがあります。
たとえ、登記簿に所有者の氏名や住所などが載っていても、本人に連絡がつかないなら、所有者不明の土地と判断されます。
所有者不明の土地は増加傾向にあり、すでに全体の約20%に達していることが、国の調査で判明済みです。
現状のままでいくと、その面積はさらに増加するものとみられています。
所有者不明の土地に関する問題
土地の買収や災害に向けた工事などをおこなうには、所有者の了承が必要です。
所有者が不明なために必要な了承が得られないと、土地を有効に活用できなくなってしまいます。
また、所有者不明の土地は、定期的に管理されているとは限りません。
土地が放置されると、生い茂った雑草や不法投棄のゴミなどで敷地内が荒れていき、周囲にまで悪影響をおよぼしかねません。
このほかの問題には、メガ共有が挙げられます。
メガ共有とは、対象の資産を大人数で共有している状態です。
土地がメガ共有となる原因は、過去に何度か起きている相続において、相続人の全員で土地を共有する形が選ばれていることです。
大人数で共有している土地は、誰のものなのかわかりにくくなり、活用や管理が難しくなってしまいます。
講じられた対策
上記の問題が生じる背景には、これまで相続登記が任意だったことが挙げられます。
以前は、相続登記をおこなわなくとも、制度上は問題ありませんでした。
そのため、不動産の所有者が亡くなったあと、登記の内容が古いままで放置されるケースが一部みられました。
相続登記の放置は、空き家の増加などの社会問題をあわせて引き起こしています。
いずれも望ましいこととはいえないため、対策として相続登記の義務化が決まりました。
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不動産の相続登記はどうなった?義務化に関する内容

上記の問題があることから、現在は不動産の相続登記が義務化されています。
変更後の制度の内容は、しっかり押さえておくことが大事です。
相続登記の申請義務化
現在は、相続が発生した日から3年以内に、不動産の相続登記を完了させなくてはなりません。
手続きの期間は、不動産の相続を把握した日から始まります。
不動産の相続を把握していない期間は除外されるため、知らないうちに期限を過ぎてしまう心配はありません。
不動産の相続を本人が把握したら、3年以内に相続登記を完了させる必要があります。
違反に対しては罰則があるため、注意が必要です。
期限を過ぎたときの罰則
相続登記の義務化では、罰則として10万円以下の過料が設けられています。
ただし、期限を過ぎると、ただちに罰則の適用となるわけではありません。
相続登記が正当な理由なく遅れたとき、まずは法務局から催告がおこなわれます。
催告を受けても対応しなかったら、罰則の適用となるので注意しましょう。
なお、対応の遅れが認められる正当な理由は、法務局のほうで個別に判断する仕組みですが、主な事例がいくつか挙げられています。
まずは、相続人の数が多く、書類の用意などに手間取っているケースです。
ほかには、遺言の有効性をめぐってトラブルが起きていたり、相続人が重病になっていたりするケースなどが、主に該当します。
相続人申告登記の創設
相続登記の義務化にあわせ、相続人申告登記が創設されました。
相続人申告登記とは、相続人のなかに連絡がつかない方がいるなどの理由で、相続登記が不可能なときにおこなうものです。
不動産の所有者が亡くなった点と自身が相続人である点を申し出れば、相続登記の義務を果たした形になります。
相続人申告登記は、それぞれの相続人が単独でおこなえます。
そのため、ほかの相続人と連絡がつかなかったり、意見が合わなかったりしても、問題はありません。
今後に義務化される項目
一連の制度変更は、上記のものだけで終わりではありません。
登記名義人の氏名または名称、住所変更の登記の義務付けが、2026年4月1日から始まる予定です。
2026年4月1日以後、登記された所有者の氏名や住所などが変わったときは、変更日から2年以内に、新たな氏名や住所などを登記しなくてはなりません。
正当な理由なく対応が遅れると、5万円以下の過料の対象となります。
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不動産で義務化された相続登記!相続したくないときの対応

相続登記の義務化にあわせ、相続したくない土地に関しては、所有権を放棄できるようになりました。
土地を相続したくないときの問題や新たな制度の内容などは、以下のとおりです。
土地を相続したくないときの問題
相続登記の義務化は、遺産となった土地を相続したくないときには不利に働きます。
たとえ、相続したくない土地でも、相続人は自身の情報を所有者として登記しなければならないからです。
土地所有権放棄を希望するなら、相続放棄を選ぶのがひとつの方法です。
しかし、相続放棄は、相続したくない特定の遺産だけでおこなえるものではありません。
実施すると、すべての遺産を放棄する形となり、取得したい遺産も諦める形となってしまいます。
しかし、制度変更にあわせて新設された相続土地国庫帰属制度により、不要な土地だけを手放せる可能性が出てきました。
相続土地国庫帰属制度
相続土地国庫帰属制度は、一定の条件を満たすものに限り、遺産の土地を国庫に帰属できる制度です。
本制度を利用できると、相続したくない土地だけで所有権を放棄し、残りの遺産は通常どおりに受け取れます。
従来の制度より融通が利くため、相続したくない土地が遺産になったときは、国庫への帰属を検討してみましょう。
利用の要件
相続土地国庫帰属制度は、利用にあたって条件が定まっています。
利用を希望すると審査がおこなわれ、国庫への帰属の可否が判断される仕組みです。
帰属が認められないのは、まず敷地内に建物がある土地です。
また、境界の位置や所有権に関してトラブルが起きていたり、道路への使用が政令で決まっていたりする土地は不可とされます。
このほかにも、抵当権や土壌汚染があるなど、国庫への帰属が不可となる条件はいくつもあります。
どのような土地が対象となるのかは、事前にしっかり調べることが大事です。
制度利用時の負担金
遺産の土地を国庫へ帰属する際、負担金を納める必要があります。
金額は、固定資産税の10年分が目安です。
負担金の使い道は、国庫に帰属する土地の管理費です。
相続したくない土地を無条件で引き取ってもらえるわけではなく、今後の管理費をあわせて納める必要がある点には注意しておきましょう。
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まとめ
相続登記の義務化の背景には、所有者不明の土地が近年増えており、さまざまな問題を引き起こしていることが挙げられます。
制度変更により、現在は不動産の相続を把握した日から3年以内に相続登記を完了する必要があり、罰則も設けられているため注意しましょう。
相続したくない土地は、一定の条件を満たすものに限り、所有権を放棄して国庫に帰属できるようになっています。
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